植物療法士 大津 みさ子

ささめき舎の想い

 近年地球温暖化による環境の変化が懸念され、人類の存亡にかかわる問題として、植物の重要性が再認識されるようになってきています。しかし植物の存在は当たり前のこととしてとらえられ、植物がどのように私たちの暮らしに貢献してきたかを普段考えることはないでしょう。


 いっぽう、心の健康に対する植物の役割は古代エジプト時代から知られていましたが、第二次世界大戦後に注目を浴び、環境心理学などの新しい学問分野や園芸療法などの学際分野を生み出しました。また教育の場にあっては、環境教育であったり、豊かな人間性を涵養し、疲弊した人間性を回復させる植物が取り上げられるようになりました。


 ささめき舎は、人間と植物との共生というキーワードのもとに、健康で豊かな暮らしを提案してまいります。薬草園では薔薇やハーブ、タデ藍、国内外の薬草などの無農薬栽培を行い、工房ではそれらで染色や色素の抽出、減圧蒸留などを行っています。

染色をはじめたきっかけ

 ハーブティーがあまりに美しい色をしているので、種を取り寄せ自分で育ててみました。食べたり、飲んだりがメインでしたが、そのうち染めたらどうだろうと考えました。染め上がった色に魅せられ次々と異なる色を染めています。

 写真のブルーはバタフライピー、レッドはハイビスカス(ローゼル)、イエローはレモングラスです。

植物染料と染色について

 染料に用いられてきた植物は約二千種類と言われていますが、どの植物からもなにがしかの色を染めることができます。ここでは手に入りやすくはっきりとした色がでる植物を販売いたします。

 植物を丁寧に摘んで水洗いしそれぞれの特性にあわせて染める準備をします。真っ白な布を染液につけると、まるで一気に花が咲いたかのようにみるみる色が変わってゆきます。

 太陽と水と大地が育んだ植物が布に鮮やかな色を残してくれるのです。その一瞬が愛おしくてたまりません。染まる色は温度や湿度などにより、毎回微妙に異なります。

 思うような色にならないこともありますし、染まった色が退色してしまうこともあります。しかしその変化も化学染料とは異なる草木染めの楽しさでもあります。

 販売している植物染料は徳島県の薬草園で無農薬・無肥料栽培したものと近くにある提携先の山から採取したものです。そのため、充分に注意はしておりますが、まれに虫などが混入している場合がございます。染料としての品質に問題はございませんので、あらかじめご了承ください。